[作品比較] Dining chair. CH-23 / CH-30

Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)によりデザインされ、Carl Hansen & Son(カールハンセン & サン)により製造をされたCH-23とCH-30ですが、背板とフレームの「十字型」の連結部分など基本的な構造・デザインが類似しています。しかし似ている両作品にも異なる点が多くみられます。


横に並べてみるとCH-30がハの字型のフォルムをしているのに対し、CH-23は直線的なフォルムをしています。背もたれの形状もCH-30が丸みを帯びているのに対して、CH-23は角ばったフォルムです。CH-30は柔らかい雰囲気、CH-23はシャープな印象を受けます。

横から見てみると後脚のラインも異なることに気が付きます。CH-23の方が傾斜が大きく座った際に深く腰掛けることができる構造となっています。CH-30の座面がレザーまたはファブリックなのに対し、CH-23はペーパーコード、または籐張り(ヴィンテージ品のみ)という違いもあり、それにより見た目、座り心地も大きく異なります。比較するとCH-23の貫までペーパーコードを編み込んだデザインは耐久性を持たせつつ、美しいデザインとしている点が素晴らしいと思います。

どちらのチェアもウェグナーの名作チェアですが、見た目はCH-23の方がシャープな印象、CH-30は柔らかい印象を受けます。座り心地はCH-23の方が傾斜角度が強くゆったりと座ることができ、CH-30は姿勢よく座れます。シートハイがCH-23が43㎝、CH-30が45㎝とCH-30の方が少し高めです。(ヴィンテージ品の高さです。新品は2㎝高くなっています。)シートハイや貫のデザインの美しさから個人的にはCH-23の方が好みではあります。