Easy chair. GE-270

シャープな肘掛を持つ完成度の高いチェア

Designer : Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)

Manufact : GETAMA(ゲタマ)

Year : 1950

Material :teak

Size : W680×D760×H730 (mm)


1950 年に Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー) によりデザインされ、 GETAMA(ゲタマ) により製造をされました。 teak のモデルが製造されていました。背もたれが籐張りのモデルや3人掛けソファのモデルが存在します。


同じくウェグナーの人気モデルで GE-270とよく似たデザインのGE-240がありますが、それがデザインされたのが1955年、また同じく人気作品のGE-290がデザインされたのが1953年であることからそれより前にデザインされた作品ということが興味深いです。ウェグナーは「デザインの依頼があったら、とにかくそのメーカーの体質に適したデザインをするように心がけている。メーカーの工場の性格や技術的な特性を調べ、その得意とする特徴を最大限に活かせるようなデザインを考える」と言っていました。

GE-270はGE-240やGE-290とは異なり、GETAMA社の強みでもあるスプリングを一切使用せずクッションはウレタン無垢、座面枠にはウェービングテープが使用しています。メーカの特性を活かすのを心掛けていたウェグナーがまずGETAMA社の為にGE-240よりも先にデザインした作品がGE-270だったことが疑問に残りますが、スプリングを使用していないためクッションは厚みを薄くできるため、肘掛のシャープなデザインとのバランスを考慮したものと思われます。

GE-270はシャープで美しい雄鹿の角のような肘掛、背もたれと肘掛をつなぐ真鍮の金具、ふくらみを持ったエンタシス型の脚部や前脚に向かい先細りをしている貫など全体的なフォルムなど完成度の高いチェアと言えます。また座枠の下のウェービングテープもタッカー止めではなく棒を引掛ける構造となっており、細部の見た目の美しさやメンテナンスのしやすさにも拘りを感じます。