Circle Chair. PP-130


PP Moblerの技術を結集したダイナミックな円形のデザイン


1965年にHans J. Wegner によりデザインされましたが、技術的な問題から商品化がされておりませんでした。20年の時を経て丸いフレームをつくり出す機械がPP Moblerにより開発されたことにより、生産が開始されました。


丸いフレームは11枚の薄くスライスした木材を重ね合わせて、特殊な機械により圧縮・接着することで作り出します。丸い木の棒をそのまま曲げたようなつなぎ目を全く感じさせない円形は見事であり、PP Moblerの技術力の高さを物語る作品です。


放射線に広がる背は「フラッグハリヤード」という頑丈なロープが使用され、結び目をつくらずに金具で留めることにより背当たりを良くする工夫がされております。腰を掛けてみるとフラックハリヤードの力強い弾力が心地よく安楽性の高さを感じます。背の面積が広い為、ゆったりと座ることのできるチェアでございます。


CH27のデザインにも使用されている背の上の「耳」のような部分は、枕を取り付けるフックの役目と同時にデザインのアクセントになっております。


ウェグナーがデザインをした当初は技術的な問題から円形の部分はスチールパイプにて考案をされていました。スチールパイプで作られたサークルチェアを想像してみても、美しさや軽やかさを感じることができません。そうした理由からスチールパイプでの商品化はされなかったように思います。


ウェグナーのデザインの素晴らしさは勿論のこと、それを具現化することに成功したPP Moblerの情熱と技術力と高さを感じる作品でございます。


参考価格(オーク/オイル):1,138,000円