[作品比較] China chair. Model 4283 / Chinese Chair. PP56

China chair. Model 4283は1944 年に Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー) によりデザインされ、 Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン) により製造をされました。
Chinese Chair. PP56は1945 年に 同じくHans J. Wegner(ハンス・ウェグナー) によりデザインされ、 Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン) によりModel 1783として製造をされました。現在 PP Mobler(PP モブラー)よりChinese Chair PP56として製造が続けられています。


どちらも17-18 世紀の中国・明時代の椅子「クワンイ」から構想を得てデザインされた作品です。China chair. Model 4283から発展させたデザインがModel 1783(PP56)であり、その後さらに発展させ、ザチェア(JH503)やCH24(Yチェア)のデザインへとつながっていきます。


今回はChina chair. Model 4283 と Chinese Chair. PP56の違いについて検証いたします。

Model 4283はひじ掛けが削り出しの3字曲線で作られているのに対して、PP56は曲木による2字曲線で作られています。ひじ掛けのフォルムについては圧倒的にModel 4283のほうが美しいといえます。背もたれと背板を繋ぐ接合部や貫の有無など、全体的な印象は大きく異なっています。PP56は強度を高めた造りとなっていて、貫が増えている分、ひじ掛けの支えが減っています。

PP56はModel 4283を簡略化したデザインとなっているため、強度は増して製造コストは減っていますが、プロポーションの美しさはModel 4283のほうが高いといえます。

(左)China chair. Model 4283 / (右)Chinese Chair. PP56