Boomerang Chair .FD-134
1956年にPeter Hvidt & Orla Mølgaard Nielsen(ピーター・ビット & オルラ・ムルガード・ニールセン)によりデザインされ、France & Daverkosen(フランス&ダヴァーコセン)/ France&Son(フランス&サン)により製造されたイージーチェアです。本体にチーク材、脚部に真鍮が使用されています。 アーム付き(FD-134)とアームレス(FD-135)のモデルが存在します。2019年に&Tradition(アンド・トラディション)よりHM2として復刻生産されております。
側面から見たL字型の形状がブーメランのように見えることから”ブーメランチェア”と呼ばれています。そのL字型の形状は無垢材を贅沢に削り出して作られております。その丸みを帯びたフォルムは惚れ惚れするような美しさです。
アーム部分もチークの無垢材を贅沢にしており、そのフォルムは見事です。アーム部分はデザインのバランスと負荷がかかりやすい箇所であること、またコストも考慮して短い形状となっていると思われます。それでも立ち上がる時に負荷がかかるためヴィンテージ品にはアーム部分に不良がみられることが多いようです。
脚部やアームの接合部には真鍮が使われておりチーク材との調和もとれ、作品の雰囲気をより良くしています。また後脚が座面下ではなく、背もたれから伸びていることもデザインの面白いところです。後脚から伸びているのは着座時の負荷を考慮したためだと思われますが、軽やかさを感じるデザインとなっています。脚部の先端は固定がされておらず、着座した際に安定するような仕様となっています。
France & Daverkosenのチェアに多く使用される軽量型のチューブスプリングが使用され、そのL字型の傾斜角度からなる座り心地も申し分ないイージーチェアです。量産を目指したFrance & Daverkosen製とは思えないクラフトマンシップを感じるクオリティの高い作品です。
しかしそのデザインについては1952年にオランダのHans Mitzlaff & Albrechtがにより発表されている「Boomerang」と酷似している点が気になります。
サイズ : W 68 × D 80 × H 80 (cm)
参考価格:500,000円(アーム付き・hisagu)
0コメント